自分のことを知っていくことができた。それが就労移行支援を経て得た大きな経験。
「ヒトトコにはじめて来た時今後の生活の見通しを立てれるんじゃないのかなと思った。」
インタビューの中で、ヒトトコとの出会いをそう表現してくれた竹内さん。
現在は高松市にある、あなぶきパートナーで働かれています。
今回はそんな竹内さんに、ヒトトコの就労移行支援を活用する前の状況や今の状況、そして就労移行支援をどのように活用したのかについてのインタビューをご紹介します。
長い人生のどん底の期間。
インタビュアー:「就労移行支援の活用する前はどんな状況でしたか?」
竹内:もともとホームレスで車があったから車上生活だったんです。
仕事はその時あったんですけども、生活の状況とかも色々あって体調を崩してしまって仕事を辞めることになりました。
そんな時にホームレスの人を支援する団体にたまたま出会ってそこの方に色々支援をいただいて生活保護を受給するに至ったんですけど、そこから何も考えない時間を結構長い期間とらせてもらってました。
そんな生活の中で市役所のケースワーカーさんですとか病院の世話にもなりはじめていったような感じですね。
今振り返ると僕の中で人生のどん底だった期間でした。
全く存在を知らなかった就労移行支援。
インタビュアー:「就労移行支援を活用しようと思ったきっかけは?」
竹内:病院の先生から今後のことを見据えて、「訓練をしてお仕事紹介してもらえる就労支援の事務所がありますよ」と紹介していただいてはじめて就労移行支援の存在を知りました。
そこから近くにあるところを何個か見学に行かせてもらいました。
今後の生活の見通しを立てられるんじゃないのかなと思った。
インタビュー:ヒトトコの印象はいかがでしたか?
ちょっと結構言葉を選ぶのが難しいんですけど、僕の中では就労移行支援って事務的な感じで淡々とされるのかな思ったんですけども、そんな感じでは全くなくて、いろいろこんな風に話をしっかり聞いてもらえました。
その中で信用・信頼できるな、なんとなく波長が合うなという感覚が芽生えて「ここだったら今後の生活の見通しを建てられるんじゃないかな」と思ったことを今でも覚えています。
また、3階は軽作業のフロアがあって5階はパソコン作業ができるフロアがあって色んなことの訓練ができるところもすごく魅力に感じました。
スキル面でも生活面でもしっかりとサポートをしてくれた。
インタビュー:ヒトトコの就労移行支援の内容を教えてください。
そもそも就労移行支援というのを知らなかったので、ババッと話を聞いてこんな職場どうかな?と紹介してくれるようなイメージでした。
でも実際は全く違いました。
職員さんは親身になって話を聞いてくれますし、訓練やカリキュラムを通してこれまで自分が気づかなかった自分のことが分かるようになっていきました。
具体的にどんなことをしたかというと、通い出してすぐはWordとかExcel、パソコンの基本操作を学ぶところからスタートしました。
最終的には就労移行支援のリミットである2年間利用させていただきました。
1年目はパソコン作業が多かったですね。元々インターネットは触ったことがあったので、ベースがあったんですが訓練を通してcs試験 2級、表計算2級といった資格を取ることもできました。あとは、司法書士さんの事務所に実習としてパソコンを使った業務のお手伝いに行かせてもらって実務的なところも体験できました。
2年目はより実務に近い形で緊張感を持ってできるように実習も交えながら3階で軽作業をしていったような形です。
またカリキュラムの中にはグループワークとかもあって利用者間同士でお話をする場もあるんですけども、職員の方に話しにくいことでも、そのグループワークの中で話してみると自分の感じたことに対して人がどういうアプローチや切り口を持っているのかということがで分かってすごく楽しかったですね。
インタビュー:スキル面以外でもサポートはありましたか?
そうですね。生活のサポートをすごくしていただきました。
僕、朝がすごく起きれなくて。
もうヒトトコさんに通所してた時は寝坊とかも多かったですし。
いけないなと思いながらも、ね、繰り返すんですけど。
そんな時も色々とアドバイスをくれたりしましたね。
一応一人暮らしなので、洗濯とか、自炊とかは最低限やりましょうというお話だったり、趣味がないという悩みもあったのですがヒトトコに通所しない日に息抜きする方法だったりリフレッシュする方法も色々とアドバイスいただきました。
トライアルがあるから合う合わないの判断もできる。だからこそ大きな不安はありませんでした。
インタビュー:就労移行支援が終わり働きはじめる時に心境は?
入社前にトライアル期間があり、トライアル終わって合いそうだなぁと思って、僕から仕事をしたいという形になって、あなぶきパートナーさんからも「働いて欲しい」という形で入ったので大きな不安はありませんでした。
トライアル期間中もお互いのすり合わせが丁寧にできましたし、実際に今と同じように午前中は清掃をして午後からはグループ会社のパソコン業務をするといった形なので入社後のギャップも少なかったですね。
インタビュー:実際働いてみてどうですか?
就労移行支援の中で学んだことが活きているなと感じます。
会社からもお話をいただいてワードで文章を作るコンテストに出場したのですがそこでも賞を取ることができて、結果が残せたということが自分の中で大きなモチベーションとなってまた頑張ろうって思うことができますね。
実際今も仕事は結構楽しくて。
やることが多いけど退屈しないのですごく楽しいですね。
訓練とか作業に対して信頼をしてくれる。それが自信につながりました。
インタビュー:就労移行支援を通して職員さんの対応はいかがでしたか?
そうですね、自分でする訓練とか作業に対して、すごい信用してくれててそういうのは、すごく自信になりましたね。
任せておいても大丈夫という風に見ていてくれて。
けどその中で困ったことがあったら、相談しやすい環境を作ってくれていました。
職員さん同士でも僕のことを共有してくれているので、いざ困ったことを話をするときとかも、誰に相談をしてもスムーズにお話ができてすごく助かりました。
定期的に話を聞いてくれる環境があるから気分的に楽にお仕事ができます。
インタビュー:就労移行支援を終えてからのヒトトコとの関わり方を教えてください。
定期面談で会社の方に来ていただいて、お話を聞いてもらっています。
今のところ僕はありがたいことに順調なんですけども、それでも定期的に会いに来てくれてお話を聞いてくれてっていう環境で、自分の後ろにはヒトトコさんがいるっていうのは、なんとなく、こう、覚えておくだけでも、気分的に楽にお仕事ができるのかなとは思いますね。
ちょっと話聞いてみようかなみたいな感じでスタートしても大丈夫。
最後にこれから就労移行支援を活用される方へのメッセージをお願いします。
いろんな特性を持った人がいろんな目的で利用を検討したり、実際に利用したりすると思うんですが、なんとなくでもぼんやりとでもいいので「将来こうなりたい」みたいなビジョンを見つけるために就労移行支援を活用するのはすごくいいかなと思っています。というか僕はそういった形で活用をしたという感じですね。
ビジョンや目的というと難しいんですが、対人関係のスキルを身につけたいとかなんでもいいと思います。絶対に就職しないといけない訳でもないと思うので。
とはいうものの、僕も活用をはじめるときはあんまり深くは考えてなくて、そういうのがあるんだったら、ちょっと話聞いてみようかなみたいな感じだったんですね。
だからとりあえずそんなに細かく悩まずに、あんまり気負わずに利用してみるのがいいかもしれないですね。
僕は義務教育よりも充実した2年間を送ることができました!