自分でも生まれ変わったような感じがする。
「自分でも生まれ変わったような感じがするんです。」
インタビューの中で、ヒトトコを利用する前後の自分をそう表現してくれた松本さん。
現在は高松市にある、パン屋さんでパンの製造や接客の業務を行なっています。
今回はそんな彼女に、ヒトトコの就労移行支援を活用する前の状況や今の状況についてのインタビューをご紹介します。
焦りを抱えながらずっと家に引きこもっていた。
インタビュアー:「就労移行支援を利用する前はどんな状況でしたか?」
松本:かなり長い間家にずっとひきこもっていました。なんかでも焦りみたいなのがあって、
「なんかやんなきゃ」みたいな焦りをずっと抱えてました。
けど、その時は自分で何て言うんだろうな、考える思考能力とか全然なくって「なにかやんなきゃ」と思うけど行動に移せない日々が続いてました。
父親に連れられてヒトトコに行き着いた
インタビュアー:「就労移行支援を利用しようと思ったきっかけは?」
松本:父親に連れられて、もう、何て言うんだろう…こう、身を任せてヒトトコに行き着いたって感じです。最初は就労移行支援を使うというよりかは、面談みたいな感じで、ずっと
宮武さんと3ヶ月4ヶ月ぐらい、ずっと話しをさせてもらってました。
そしたら
「じゃあちょっと、就労移行支援使ってみる?」
っていう話になって、使わせてもらったって感じですね。
「使ってみる?」と聞かれた時も自分で何て言うんだろうな、考える思考能力とか全然なくって、もう言われるがままみたいな感じで、本当になんとなく「はい」といった感じです。
やっぱり家にはずっと居づらくって、焦り…そう焦りみたいなのがずっとあったから、ヒトトコに行くことでちょっと、なんかやってるっていうことがあることは私にとっては救いでした。
すごく話を聞いてくれる。それがすごく助けになったんです。
インタビュー:ヒトトコの印象はいかがでしたか?
はじめて会ったのは代表の宮武さんです。そこから宮武さんとはずっと話をしていました。
「すごく話を聞いてくれる。」
そんな印象を抱いたように思います。
そしてその「すごく話を聞いてくれる。」というのは当時の私にとってすごく助けになったんです。
全部が全部思い出深い。消極的な私にいろんな選択肢を教えてくれた。
インタビュー:ヒトトコの就労移行支援の内容を教えてください。
就労移行支援自体は2年間丸々使用させていただきました。
長く家にいた事もあって最初はあまり人と話さず、1人でずっと作業してました。
パソコン作業が多かったですね。ワードやエクセルの使い方も全然わからなかったので、コンピュータ技能評価試験3級(Word・Excel)を目指して頑張ってました。
そこからだんだん1年くらいかけてカリキュラムに参加できるようになっていきました。
カリキュラムに参加していくとだんだん楽しくなってきて。
特に読書会は結構好きでした。
みんなで同じ本を読んで、みんなで意見を共有する。すると、「あ、こんな考え方もあるんだ」とかいろんな視点が見えてとても楽しかったです。
カリキュラム以外のサポートも結構充実してて、面談とかも結構してもらいました。
私、結構消極的で、就労移行支援が進んで行っても自分でなかなかやりたいこととか見つけれなくって、ヒトトコが終わってどうするかもあんまり考えてなくて。
でも、そんな時も職員の宮宇地さんとか
「こういうとこどう?」
って、それこそ今働いている職場も紹介してくれて。
「こういうのはどうかな?」といろんな選択肢をくれたのもすごくありがたかったです。
あと、家でひきこもるんじゃなくて、ヒトトコに行くことで人との関わりは絶対できるんで、そこでちょっとなんていうんだろう。
外の世界というか関わりができるんで生きてるなと感じるようになっていきました。人との付き合い方みたいなのを改めて構築していくみたいなのはヒトトコでできたかなって思います。
ヒトトコでの日々全部が全部結構思い出深いです。
働くことは不安だった。けれど、その不安も相談できて解決策を導いてくれた。
インタビュー:就労移行支援が終わり、働きはじめる時の心境は?
正直入社前は不安でした。というのもヒトトコにも週に3,4回通っている状況だったので週5勤務ということに非常に不安に感じていました。
けど、ここで働くためには週5勤務は絶対ということだったので。
それでちょっと続けられるかなって思ったんですけど、ヒトトコの職員さんとか、ここのオーナーさんとか含めて、時間を調整してもらって最初は4時間からスタートしました。
インタビュー:実際働いてみてどうですか?
今はパンの製造とかがメインの仕事です。ちょこちょこ接客もしたりという感じです。
これまではパン作りってあまりやったことなかったんですがやってみるとすごく楽しいですね。
最初は例えば、お客さん見ながらドリンク作ったりパンの仕込みも並行で作業が進むことが多くてマルチタスク無理かもなと思ってたんですが意外とやってみたらできて、日々楽しい時間を過ごせています。
楽しいことを楽しいと思える。やりたいことをできるようになった。
インタビュー:就労移行支援を終えてプライベートにも変化はありましたか?
利用する前はもうちょっともう、何て言うんだろう。笑うことさえできない感じだったんで。
利用していってだんだんと笑えるようになって、好きなことができてみたいな感じです。
楽しいことが楽しいって思えてなかった時期が結構長かったんで。
けどのその楽しいことが楽しいと思えるようになったのは大きな変化かと感じています。
友達ともなかなか会えない時期が続いていたんですが、ヒトトコで人と関わって、じゃあちょっと友達とも会えるかなっていう状態になったんで休日は友達とリフレッシュすることも多くなっています。
やりたいことができるようになったから、自分でも生まれ変わったような感覚です。
頼るところができたから不安の抱え方は変わった。
インタビュー:就労移行支援を終えてからのヒトトコとの関わり方を教えてください。
今は月一の面談という形でサポートしていただいています。
今もたまに気分の落ち込む時もあってそんな時はヒトトコさんに話聞いてもらったりできるので、やっぱり以前に比べて、不安の抱え方はちょっと変わったかな。
頼るところができたんですごく助かっています。
気負わなくていい。とりあえず行ってみると意外といけちゃう。
インタビュー:最後にこれから就労移行支援を利用される方へのメッセージをお願いします。
ちょっと一歩踏み出したいけど踏み出せないみたいな人に行ってほしいなって思いがあります。
気負わなくていい、とりあえず行ってみたら意外といけちゃうみたいなところが実体験としてあります。
ヒトトコに通って、だんだん人との関わりが増えていく。全部が就職に、プライベートにもつながっていると思うので。だから、気負わず行ってみて、悩んでることがあったら相談してみるといいのかなと今は思っています。